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これから発生するかもしれない大地震などの自然災害に備え、何を準備し、心得ておくと良いかを、防災士ミスター・タナカがわかりやすく発信


by espoir-oq
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ゲリラ豪雨の恐怖

 14日(水)から西日本を中心に降り続いた大雨は各地で大きな被害をもたらし、17日現在、死者は岐阜県、島根県、広島県で計9名になった。亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りしたい。
 前回は大雨が降って道路が冠水した場合、「これぐらいは‥」という判断ミスと軽率な行動が事故につながるということを警告したが、岐阜県可児市で起きた事故ではまさにその悪夢が現実になってしまった。集中豪雨により可児川が急激に増水。線路をくぐる道路が冠水して、車が立ち往生したり流されたりする被害が相次ぎ、トラック・乗用車合わせて38台が折り重なるような状態で発見された。
 その中で3人が行方不明になっていて、そのうち2台は約1km下流で発見されたという。確かに平常時には自分の乗っている車が1kmも水に流されることは想像できないだろう。しかし増水した川の流れは、いとも簡単に車を押し流すだけの力を持っていることを改めて知るべきだろう。
 広島県廿日市市で行方不明になっていた女性は、自宅から10km離れたダムで遺体で発見された。同じ広島県内の庄原市では、土石流や土砂崩れで民家が押し流された様子が航空写真で紹介されたが、被災地から少し離れた場所では何事もなかったかのように車が走る様子が紹介されていた。一部に集中する「ゲリラ豪雨」の凄まじさを象徴するような写真だが、局地的集中豪雨の恐ろしさを改めて痛感した。
 今後、日本各地で梅雨明けが宣言されると思うが、梅雨前線が去ったからといって局地的集中豪雨の危険性がまったくなくなるわけではないことは、昨年の教訓からも明らかである。局地的集中豪雨の被害から助かるためには、自分が置かれている状況を的確に判断することが大事である。まずはじめに、「今居るところは高いのか低いのか?」を見極め、増水した水の力を過小評価しないこと。それだけでも尊い人命が失われなくて済むかもしれない。
# by espoir-oq | 2010-07-17 22:21 | 防災関連情報

都市型水害の恐怖

 日本各地で大雨による被害が続いている。梅雨のイメージというと、シトシトという感じの雨が降ったり止んだりというイメージが強いが、今年は九州地方を中心に激しい豪雨に見舞われたほか、先日は東京の板橋区、北区などでゲリラ豪雨が発生。どちらも大きな被害をもたらした。
 これも世界規模の異常気象の影響なのだろうか?記憶が定かではないが、梅雨や秋の長雨などの時期に各地で記録的な大雨が観測されるようになったのは、ここ数年のことのような気がする。少なくても昨年も同じようなニュースを見たような気がするから、今年だけの特別なことではなくて、すでにこれが毎年恒例になりつつあることは十分に考えられる。
 ニュースの中で繰り返し見るのが、大雨により冠水した道路をほとんど水没した状態で走っている車の姿だが、あれは危険ではないのだろうか?東京都新宿区にJR線の下を道路がくぐるために、周囲よりかなり低く掘り下げてあるガードがある。数年前、東京都心を襲ったゲリラ豪雨の際、そのガード下で車が立ち往生して、乗っていた女性が水死するという事故があった。女性は警察に緊急通報したのだが、その通報を誤報と勘違いして警察が放置していたことが後からわかった。その時の警察の対応が問題になったので、覚えている方もいらっしゃるかもしれない。
 こういう場合、事故の原因になりやすいのは「これぐらいは‥」という判断ミスとそれに伴う軽率な行動だろう。普段,通り慣れている道で、「まさか車が水没するはずがない」という楽観的な判断と、「いいから行ってしまえ」という軽率な行動が、取り返しのつかない事態を招くかもしれないのである。最悪な事態を免れたとしても、車が立ち往生する可能性は少なくない。
 また数年前、北九州地方を襲ったゲリラ豪雨により、地下室に水が流れ込み女性が水死した事故もあった。今回、東京都の板橋区、北区を襲ったゲリラ豪雨でも、地下室が水浸しになったお宅があったが、窓から流れ込んだ水はあっという間に天井の高さに達し、部屋は完全に水没したという。以前には考えられないような事故が実際に起こっている現実を、我々はもっと真剣に受け止めるべきだろう。
 天気予報によると、今晩から明日の朝にかけて関東地方に大雨が降る恐れがあるという。梅雨明けはまだ先のことになりそうである。大雨と集中豪雨対策をもう一度、見直してみてはいかがだろう。
# by espoir-oq | 2010-07-09 17:26 | 防災関連情報